Vol. 2 私はインドでトラを見た!
ランタンボール国立公園でトラ探し
グァオ・・・
草むらから低い音が聞こえてきた。
「Is that a tiger?」
隣の白人に尋ねたらシーッと言われた。運転手はエンジンを止め、カンティーンというサファリ用トラックの客は全員総立ちになって草むらを見つめる。
グググガウウウ・・・
トラだ。数メートル先の木の下あたりか。
沈黙。息をしてもいけない。双眼鏡で草むらを追うが何も出てこない。でもいるのだ。絶対トラだ。
ずっと沈黙。
他のサファリカーも集まってきた。
誰かが一瞬はっと顔を上げた。
「Did you see him?」(トラを見た?)
私が声をあげるとまた周囲の軽蔑の視線を浴びた。黙っているのが退屈になってきた。でもトラはそこにいる。絶対そこにいるのだ。姿を見せぬ。ああ悔しい。ちょっとぐらい見せてくれたらいいのに。
ガイドが木の枝を指差す。ふくろうがいた。これはナントカオウルという珍しいフクロウなのだと講釈たれる。うるさい。フクロウなんて今どうだっていいのよ。ベンガルタイガーがどうしたら姿を現してくれるか教えてよ。
「ねえねえ、あなたガイドでしょ。50ドルあげるからさー、ちょっとその辺の草むらを叩いてきてくれない?」
彼はへへへと笑うだけで私のお願いを無視した。
まわりがだんだんざわついてきた。黙っているのがつらくなってきた。
インドのランタンボール国立公園。デリーから列車に乗れば5、6時間で近くの町サワイマドプールに行けるが、私はデリーから一人で運転手付き車をチャーターしてはるばるやってきたのだ。途中サリスカ国立公園で一泊し、トラを探したが見られなかった。(ここのトラは絶滅したと報告されました)
ランタンボールは面積1300?におよぶジャングルと岩山の野生動物保護区だ。ベンガルタイガーの生息することで世界的に有名な国立公園で、トラの写真家はほとんどここにやってくる。
プロジェクト・タイガーの事務所もある。公園内には20人乗りのカンティーンというサファリ用トラックか、ジプシーと呼ばれる四輪駆動の車でないと入れない。
ジプシーは村の選挙に借り出されていたため私が予約したくても車の数が足らなかった。
だから他の外国人(白人だけ)と一緒にカンティーンに乗ってトラ探しツアーに出かけた。
朝食前のサファリは7時から始まるが、明け方は寒い。宿から毛布を借りてきた。2,3年前にインド宮殿列車の旅の添乗でここに立ち寄ったことがあるが、寒くて寒くてトラどころではなかった。
だから今回はショールとカイロも持ってきてカメラも双眼鏡も準備万端なのだ。
でもトラはなかなか姿を見せない。
運転手がエンジンをかけた。
ここをずらかる気だな。
私の専用車ならもう1時間ほど様子をみましょうと言うのだが、他のお客がいるので勝手なことは言えない。
車はゆるゆると走り始めた。
公園内にはさまざまな鳥や鹿のたぐいがいる。きれいな鳥が出てくるたびに白人達は歓声をあげうる。
私はトラにしか興味がないのできれいなトリなぞちっともうれしくない。
スイス人と一緒にサファリ
なんとかしてジープを確保したい。費用はグループで行くよりも3倍高くつくが構わない。近辺でもっとも高級なマハラジャのホテルのコンシェルジュにジープを工面してもらえないかとお願いしたら、今スイス人の夫婦が貸しきっているから彼らに半額払って同乗させてもらったらどうかと言う。
よし。さっそくそのスイス人の老夫妻ロスリーとフランツを紹介してもらい、ジープに乗せてもらえないかと頼んだら快く引き受けてくださった。彼らは昨日トラを見たと得意になって話した。
私も一泊このホテルに泊まろう。一人旅ではこんな贅沢なタージ系のホテルなど絶対泊まることはないが、ジープの都合上お付き合いで同じホテルに泊まることにした。私の運転手のアッターにはドライバー用の部屋を提供してもらった。
しばらくしてアッターが怒ってやってきた。
「ひどい、あんまりだ。ドライバーの部屋というのは鳥小屋以下だ。あんな所で寝られない。」
なるほど確かにひどい宿舎だ。薄暗くてシャワーもなにもない。ホームレスの家のほうがましだ。こんな贅沢なホテルに泊まるお客の運転手がこの小屋に宿泊していること、お客さん達はご存知だろうか。
「わかった。私がお金払うからあなたは昨日のロッジに泊まってくれる?明日の昼頃に迎えに来て。」
翌朝はスイス人夫婦とガイドとジープに乗って森に入った。
彼らはケニア、タンザニアはもちろん南米の熱帯雨林、アジアの国立公園などいろいろ各地を旅行しているそうだ。
どこがよかった?と聞けば二人声をそろえて「ナミビア」と答えた。
へー、ナミビア。私はまだ行ったことないけど南アフリカとどこが違うの?
あらゆる自然がある。砂漠が美しい。国が美しい。二人で目をらんらんと輝かせて話しだすので聞いてるだけで疲れてきた。とにかく今はトラだ。タイガーのことだけ考えよう。
でも二人は主張する。
「ナミビアには是非行くべきだ、Toshi。」
とにかく今はトラ探しなのだ。
車が止まった。ガイドが指さした方を見るときれいな鳥がいる。なんだ、鳥か。
「オー、ビューティフル!」
二人は双眼鏡を交代に使いながら鳥を眺める。カワセミだ。確かにきれいですよ、でも私はトラを見るためにあなた方に650ルピー(1625円)払ったのですよ。早く行こうよ、と言いたいが、私は居候の身分なのでがまんする。
車が動きだすとまたナミビアの話を私に聞かせる。とにかく今はトラなのだ。二人は昨日トラを見たので今日は余裕のサファリを楽しんでいる。そして私が彼らの話の聞き役だ。
そんなことをしているうちにサファリは終わった。トラを見つけられずにホテルに戻った。
「Toshi、来年はナミビアに行きなさいね。」
夫妻と別れて私はまたアッターの車で最初の安いロッジに戻った。昨日一緒にサファリに出たドイツ人達が騒いでいる。
「今日はサファリでトラを見たぞ、君はどうして来なかったの?」
結局ランタンボールで3泊して私だけがトラを見ずに帰ることになった。
気分治しにバラットプールで一泊してケオラデオガーナ国立公園で鳥を山ほど眺めてデリーに戻った。
トラは見つからなかったけど、インドの鳥は色とりどりでほんとにきれいだ。ペットショップから逃げてきたのかと思うくらい珍しい美しいインコがその辺にいる。
とにかくトラを見た
翌日の夕方の飛行機で日本に帰る。出発までたっぷり時間があるのでデリー動物園に出かけた。外国人とインド人とでは入場料が違う。
インド人の家族の後ろについて2ルピー(5円)出すとすんなりと入れた。
動物園でトラを探した。
家族連れのインド人に「tigerはどこ?」と聞きながらトラの宿舎にたどりついた。広い敷地にたった一頭しかいなかった。
動物園の従業員らしきおじいさんがよってきて「トラをもっと見たいか?」と尋ねてきた。
おじいさんは係員以外立ち入り禁止のドアの鍵をあけて中に入れてくれた。
檻の中にトラがいた。1m前に本物のトラがいた。ベンガルタイガーだ。
動物園といえどもこんなに間近にトラを見たのは初めてだった。
トラは私をじっと見た。私もトラをじっと見た。やがて向こうが目をそらして肉を食べ始めた。
グァウウウウ
と私が吼えるとトラは顔を上げて私を見た。グアウウとめんどうくさそうに吼えてまた肉をかじり始めた。
かっこいい。トラはやっぱりかっこいい。動物の王者だ。
毛がつやつやしている。インドのトラはシャンプーの後にリンスも使っているのだろうか。
おじいさんにチップを渡して出てきた。
動物園事務所であのマロトラ博士に話をうかがった。この動物園には4頭のベンガルタイガーがいるが、3頭は動物園生まれ、1頭はバンダウガルの森で保護されたものだそうだ。
バンダウガルとはどこか?
インドのまん中。遠い遠い所で列車乗って丸一日かかるような所だ。博士もそこでトラを見たと言う。
よし、バンダウガルだな。
デリー動物園 インド国立の動物園で1959年開園。71haの広々とした敷地に131種の動物(うち哺乳類は48種)がいる。
草木も豊富で美しい。散歩にくるだけでも楽しいところだ。金曜日休み。入場料:外国人50ルピー
インド人 5ルピー(1ルピー=2.5円)
私はほんまにトラを見た! 2005年2月
ついにバンダウガル国立公園へ来た。5年ぶりにトラ探しである。
「インドの国立公園 トラ探しとバードウォッチング9日間」に14名のお客様が参加してくださった。
企画者かつ添乗員としてはこういうツアーはとても怖い。現地と何度も情報交換をしてほとんど確実にトラに遭遇できるぞと確信をもったのであるが、トラは生き物である。悩みごとがあったり腰痛があれば岩穴に3日間隠れて出てこないこともありうる。オーロラツアーの時も不安をかかえて出発した。(実際には私の催行したオーロラツアーは毎回必ずオーロラ鑑賞できて現地のからオーロラ娘、オーロラねえさんと呼ばれた。ほほほほ。)
万一トラが見られなかった場合はどうなるか。ごめんなさいでは済まぬ。
「こーらー、なにがとらさがしじゃ。そんなもん、いっぴきもでてこんやないか。わいはこのためにおかねかけてつあーにきたんじゃい。ドーしてくれる、ねーさん。すんませんですんだらけーさついらんで、ほんま、どついたろか・・・」
漫才師のやすしだったらこういうに違いない。今回集まったメンバーはみなさんやさしそうだ。
でも一見やさしそうで、「しょうがないわよね、トラは生き物ですものね、自然のことはわかりませんよね」と声かけてくれる方も腹の底では「もうトシのツアーには参加せんわ。あほらし。」と思うに違いない。
デリーから17時間夜行列車に揺られてやってきましたよ。朝ロッジに到着して、朝食。「午前中はゆっくりしましょう」と私が言うと、「すぐトラ探しや」と声があり、全員ジープ5台に分乗してサファリを始めた。
キャンプ(森林レンジャーのチーフの事務所)でトラが出たという情報を得て、我々のジープは現場へ駆けつけた。
ゾウに乗り換えて森の中へ入った。
ゾウ遣いが足でゾウの頭をなでたり、蹴ったり、叩いたりしながらゾウを操縦する。お客はゾウの背中に左右に分かれて2名ずつ背中合わせに乗る。
森の中は道がないので車は入れない。ゾウはなるべく木の枝のない所を選んで歩いてくれるが、時折めりめりっと音を立てて枝が折れ、それが反動で我々の顔をめがけて跳ね返ってくるのであぶなくてしょうがない。
ぼぉーっと森の散歩を楽しんでるどころではないのだ。我々の頭はゾウの頭よりも高い位置にあるので木の枝に頭をぶつけないように注意しておかねばならない。
ゾウに乗って森に入る
5分もたたないうちに木々の隙間から地面に横たわるシマシマが見えた。
「トラだ!」
「ひぇーっ、ほんとのトラだ!」
シーッとゾウ遣いが制すので、息をころしてひそひそ声で感動した。
「ほんまにトラや・・・」
「ベンガルタイガーや」
「わっ、こっち見た!」
トラは食事中だった。
前脚で獲物を抑えてがつがつ肉を食いちぎっている。
あまり近寄るとトラは巨大なゾウに驚いて行ってしまう。トラとの間隔を保っておかねばならない。ゾウ遣いはそろりそろりとゾウを木立の空間に寄せて我々がもっとよくトラを見える場所へ移動してくれた。
トラが顔を上げた。トラが私を見た。私もトラを見た。
沈黙。しゃべるな。息するな。
まるくてでかい顔だ。目が鋭い。ゾクゾクしてくるが、怖くない。我々はゾウの上だからね。
トラはサーバル鹿を食べていた。
写真が撮れない
デジカメで写真を撮る。高画質のモードで撮影すると一枚撮るごとに時間がかかっていらいらする。 ポジのフィルムを入れた一眼レフで撮影する。ストロボ禁止なのでシャッタースピードを3分の1や4分の1にしてかろうじて撮れる。でもゾウの背中は微妙に揺れている。だめだ。すごい手ぶれだ。ASA400か800のフィルムを入れておくべきだった。ゾウの背中であせりまくった。
頭がかっかかっかとしてくる。フィルムはどこだ。フィルム、私のフィルムは。ポケットがいっぱい付いたベストを着ているのだが、すべてのポケットに手をつっこんで探す。そうだリュックのポケットだった。
フィルムを入れるとジャーと音がする。うるさいカメラだ。シャッターを切る瞬間に何でゾウは動くのか。
もう写真のことは忘れよう。肉眼でしっかと見ておこう。しかし落ち着かない。生のトラと面会、この歴史的な瞬間に写真がなかったら一生後悔するぞ。やっぱり写真を撮っておかねば、証拠写真を撮らねば・・・
(結局1枚もまともな写真は撮れていなかった。)ゾウ遣いはそろそろ引き返そうとしたが
One moment!(ちょっと待って)
One more photo, please.(写真をもう一枚、)
とお願いし続けて時間を稼いだ。ずっとトラを観察していたいが、他のお客さんがゾウを待っている。
あっという間のタイガーショーだった。
トラの前では沈黙を保っていたので、ゾウから降りたとたんに、大声で「ほんとにトラを見たんやねー」と叫んだ。すっごかったねー。
でも話がうますぎる。我々は今朝到着したばかりですよ。それが最初のサファリでトラが見られるなんて。ここは動物園か。トラの獲付けをしてるのか。ヤラセではないか・・・
そうではなかった。ゾウに乗ってトラに近づくと同時にトラは立ち上がってどっかに行ってしまったというグループもいたし、トラの背中しか見なかったという人もいたし。トラは全然見てないという白人もいたのだから。
またトラだ、鳥だ
翌日も朝早くからかなり走り回った。この国立公園には鳥が250種いるらしい。パラキートは美しい。緑色のインコだ。どこにでもいる。トラが目的といっても日本では見られない美しい鮮やかな色の鳥を見つけると止まってしまう。
午前のサファリは11時までだ。キャンプに寄っても今日はまだトラは出ていないという。あきらめてゲートに向かった。11時にゲートを出ようとしたらなんと今トラが出たそうだ。
運転手が猛スピードでキャンプに戻る。そこでタイガーショーのチケットをもらってトラの現場へ車を飛ばす。ボンボンボン、我々は車の上で飛び上がったり、尻餅ついたり。トラに会えるのはうれしいが、腰がふらふらだぞい。
ゾウに乗り換えてまたジャングルに入る。親子のトラ達がイノシシらしきものを食べていた。
うわーっ、3頭もいる。
またカメラカメラと頭がパニックになる。今日はASA800のフィルムにしよう。今頃フィルムを交換し始める。昨日の経験がちっとも学習されていない。もう写真のことなんか忘れたい。ただただトラを見ていたい。
さらにその翌日はジープで走っているときにトラに遭遇した。トラが来た。道路にかなり近いところを歩いている。車をUターンさせてトラの進行方向に向ける。トラが車のすぐ脇を通っていった。隣に座っていたお客様は震え上がった。
私はまたあたふたとレンズ交換していたのでそのきわどい瞬間を見逃してしまった。トラはのそのそと堂々と道の真ん中を歩いていった。4台のジープがトラの後を超スローな速度で追いかける。
わくわくする。最近こんな興奮したことない。人間の大人が映画俳優の追っかけみたいに有頂天になっている。だからサファリは楽しい。
スリルのあることといったらアフリカのサバンナのサファリなど問題にならない。トラは襲ってこないとわかっていてもあの眼とあったら背筋がぞくぞくしてしまう。
運転手の言うには雄トラで5歳だそうだ。トラは縄張りをもっていて8~10kmを徘徊して獲物を探しているらしい。トラは道端で休んであたりを眺めて、立ち上がると森の茂みに隠れてしまった。
もうゾウに乗らなくてもいいわ。デジカメとバカチョンと一眼レフで撮っておくが、やっぱり暗すぎる。
バンダウガル国立公園について
国立公園の面積は1160?あるが、観光客の立ち入りが許可されている地域は105?のみである。
その中にベンガルトラが20頭ぐらいいるそうだ。密度としてはインドで最も高い。
ジープで公園内の道路を走っているだけではトラが道路に出てこない限りちゃんと観察することはできない。道のない森の中に入るにはゾウの背中に乗っていく。ゾウに乗ってトラを観察することを「タイガーショウ」という。タイガーショウは午前中だけだ。ゾウに乗る度に一人600ルピー(1500円)払うことになっている。
6頭のゾウが朝早くからトラ探しをしている。そしてトラが見つかると無線でキャンプに連絡することになっている。一般車は無線の使用は禁止されているので、ゾウ情報を得るにはキャンプに立ち寄るしかない。キャンプでは白い口ひげのレンジャーの隊長がゾウによる観察が公平に行われるように監督している。
観光はこの公園を守る重要な資源だから観光客に対しても厳しいルールを要求する反面、トラが出たときには公園を出る時間を延長という配慮もしてくれる。
バンダウガルで寂しいことはみやげ屋が一軒しかなくて品揃えがうすいこと。トラを見た後はトラのワッペンやトラのTシャツ、トラのシール、トラの本などなんでも買いたくなる。村の女性たちを動員して何かいい商品を作ってほしいものです。
村人達は畑や牛を飼う以外に公園内の道路整備や建築工事などの仕事をしている。
この村には観光客に群がる物売りが一人もいないし、乞食もいない。実に明るく、村人がのびのびしている。
その辺がランタンボール国立公園とは違う。写真家たちはランタンボールでトラの写真を撮っているがトラの数がだいぶ減ったようだ。密猟のせいだ。
世界中からぞろぞろ観光客がトラを見にランタンボールにやってくるためにホテルやロッジが次々に建った。観光客目当てのみやげ物屋が並び、さらに村人達が道で物売りをする。騒がしい。
観光の仕事にありつけなかった人達は密猟者の手伝いをするようになる。
バンダウガル国立公園はその点村人達と観光客の数に関して調和が保たれている。17時間も電車に乗らないとたどり着けないために、ほんとうにトラに興味のある人しか来ないし、そういう人たちは自然保護に関して関心が高い。
格安ツアーの30人グループなぞは絶対に来るべきではないし、それだけ収容する宿泊設備もないのが幸いしている。
バードウォッチング
黄緑のきれいな鳥はホンセイインコ(Rose-ringed Parakeet)か、コセイインコ(Plum-headed Parakeet)だ。インドブッポウソウ、ミドリオオゴシキドリ、ムネアカゴシキドリ、カノコバト、インドトサカゲリ、空高く飛んでいるのはミミハゲワシ、カンムリワシ・・・
ガイドが英語名を言うたびに私は和名を調べる。鳥の図鑑で確認する。車の皆様に和名を叫んで教える。みんな「へー」と答えるが、3分後には名前なぞ忘れているんだ。
黒い点にしか見えない空の鳥を指差して名前を言う。どうやって見分けるのか。我々が無知だと思って出任せに名づけているんだろうと思ったけど、そうでもないようだ。
城塞の麓で車を下り、廃墟のある丘まで歩いた。ウォーキングサファリもいいもんだ。崖っぷちにインドハゲワシがいた。望遠鏡にデジカメを当てて写真を撮る。別の方角にはカササギサイチョウが木の枝の陰から現れた。
(写真)
インドハゲワシの親子(左上)
カササギサイチョウ(右側)
タイガー・デン・リゾート
タイガー・デン・リゾートは18室のコテージがガーデンの中に建っている。家族的な雰囲気のホテルで食事もおいしいし、清潔だ。バスタブもついているし、お湯もちゃんと出た。
部屋がゆったりして、ドアを開ければブーゲンビリアの花が咲き乱れ、鳥の声がいつも聞こえてくる。
私はできるだけロッジやホテルのキッチンを観察させてもらうことにしているが、インドの宿泊設備のキッチンは清潔だ。ネズミなどはいそうにない。
ホテルを出て道路を渡ると村の学校がある。小学校から高校生までの学校で、青年のクラスではエコツーリズムを勉強していた。
トラを見つけた感動と興奮はアフリカのサバンナのサファリと問題にならないくらい大きい。トラは森の神様だ。その迫力と神秘なことはライオンにはない。トラは美しい。
何年かたって大阪駅のあたりで「私しゃトラを見たんじゃ。野生のトラを見たんじゃ。」とふれまわっている婆さんを見かけたら、それは私です。
我々が帰ったあとシャラッドさんはまた3月にアメリカ人をバンダウガルに案内したそうだ。そしてもっといい写真をたくさん撮った。3月はもっとトラが近くに見られるらしい。(でも4月5月になると暑すぎて人間のほうがまいってしまう
2006/01/01記







