Vol. 5 涙と快感の「わさび鉄火」

涙と快感の「わさび鉄火」

私のスーツケースにはいつも日本のお菓子がたくさん詰まっている。外国人にどんなお菓子が受けるか日夜研究を怠らない。

メキシコのガイド、カルロスは英語も説明もへたくそでどうしようもないが、私の差し出すものは何でも食べてみようとする好奇心は評価する。

 「わさび鉄火」を一口食べたあと、彼は体を30度斜めに倒し、口を半開きにしたまま、目を閉じたまま固まってしまった。wasabi

 ハアァァァ~ホォォォ~ヒィィィ~、と意味不明の声をあげた。

イスラムヘレス(島)からカンクンに戻る船の甲板はアメリカ人達で賑わっていた。明日はもう帰国。なんかおもしろいことして帰ろう。

まわりにいたアメリカ人の若者達に「わさび鉄火」を進呈した。

坊主頭の男は口を「あ」に開け、眼をまんまるにして、笑い出した。

その彼女は口を「お」にして深呼吸を始めた。

長い髪の男は口を「へ」にして走り出した。

その隣の女は警戒しながらちょびちょびとかじりながら、That’s nice!と叫んだ。ワサビが大好きだと言う。

「わさび鉄火」を食べた人たちはとたんに饒舌になり、女の子が踊りだした。

メキシコには世界一辛い唐辛子があるが、「わさび」の辛さは日本独特のものである。「わさび鉄火」の辛さときたら尋常ではない。

はぁぁひぃぃふぅぅぅへぇぇぇぇほほほーほーほ~~~

はひふへほ五段活用。

涙涙涙、その後に笑いがこみ上げてくる。快感になる。

アイ・ラブ・スーシー と和食通を気取る外国人には是非ご賞味いただきたい一品である。

 (上垣米菓315円神戸三宮のダイエーで買った。)

2006/03/27記

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